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(更新: 2019年1月28日)

レノボの超小型AMDマシン(ThinkCentre M715q Tiny)は、小型PCファンの選択肢たり得るか

 先の記事に書いた通りThinkPad T480が届きましたが、
その翌日には同じタイミングで注文した小型デスクトップ・
ThinkCentre M715q Tinyも届いていました。
Radeon内蔵型のRYZEN 5 PROを搭載する希有なこの小型PCは、
果たしてAMDユーザーにとっての小型PCとしてチョイスできるか?
ちょっと確認してみたいと思います。

[目次]

  1. 諸元など
  2. 追加・換装したもの
  3. 使用感
  4. まとめ

1.諸元

 ThinkCentre M715q Tinyは、レノボの小型PCシリーズである
Thinkcentre M Tinyシリーズで唯一、AMD RYZENを搭載した小型デスクトップPCです。
こういったコンパクトなPCは外資他社(Dell、hp)でも販売していますが、
日本でAMDモデルを売っているのは実はレノボだけです。

※海外だとhpがEliteDesk 705 35W G4というモデルを売っています

 CPUは、法人向けモデルのRYZEN PROシリーズ(3 PRO 2200GE/5 PRO 2400GE)
以外にもA6シリーズやAthlonなどを選べますが、筆者が購入したのは以下の構成です。

ThinkCentre M715q Tiny
CPURYZEN 5 PRO 2400GE(4コア、3.2GHz/3.8GHz)
メモリDDR4-2666 8GB
ストレージ128GB NVMe SSD(M.2 2242,Hynix製,PCIe3.0×2接続)
GPUCPU内蔵(Radeon Vega 11 Graphics)
WLANなし
OSWindows 10 Home
電源アダプター65W
その他ダストシールドあり、HDMIポート(HDMI1.4b)追加

 とりあえず外見から見ていきますが、きわめて薄いのがすぐにわかります。
感覚としてはDeskMini 110/310を半分くらいにしたレベルですが、
実際の厚みはDeskMiniの80mmに対して34.5mmなので、なんと半分未満。
そのかわり、奥行や高さは2~30mmほど大きくなっています
(縦置き時の奥行き182mm、高さ179mm)。
設置は縦置き・横置きどっちでもOK。縦置き用スタンドも
購入時にオプションで追加できます。

 電源は65WのACアダプターで、以前ThinkPadや一部NEC製ノートパソコンで使ってた
スリムタイプの四角いプラグで、そのまま流用できます。

横置き時のフロント。たいへん薄い
前面USBポートはどっちも3.0
背面。DP×2は標準です
黄色のコネクタは電源で、以前のThinkPadと同じもの
500mlペットボトルと高さを比較
奥行きもほどほどに小さめ

 フロントから吸気するデザインですが、ホコリ混入を防ぐために
+1000円でダストシールドを追加することができます。
実際はフロントにはめこんで被せるカバーみたいな感じで、
吸気部分にフィルターがつきます。

被せてもI/Fには影響なし
ダストシールドの装着イメージ

 内部へは、ネジ1本を取って天板を開けるだけでアクセス可能です
(ダストシールドがある場合は事前に脱着必須)。
今回は+540円の有料オプションでハンドスクリューにしましたが、
極めて開けづらいため、これは選ばずにアイネックスあたりの
ハンドスクリュー(インチねじ)に入れ替えるとちょうどよく、
また使いやすいのでオススメです。

有料オプションの、取ってを引いてつまむネジ。
使いにくい上に固い

 内部はもうギッシリと詰まった感じで、オタクの皆さんにとっては
絶対に好きなタイプ(?)と思います。その分排熱だけは心配ですが……

 メモリはSO-DIMM×2、ストレージは2.5インチとM.2の2系統。
無線カードも追加できますが、それぞれの交換はどれも容易で
この辺のメンテナンス性はさすがに企業向けPCという感じでしょうか。

スキマがほとんどない内部
2.5インチストレージはネジ1本で脱着可能
メモリとM.2は2.5ストレージの下に

 映像出力は標準だとDPが2つですが、オプションでHDMIなどを
追加できます。通常の使用範囲だとHDMIを増やした方が使い勝手もいいでしょう。

追加したHDMIコネクタ。
シリアル端子も選べる

なお、追加できるHDMIはバージョン1.4bなので4K60Hz表示は厳しいです。

 CPUは薄めのヒートシンクとシロッコファンで冷却するパターンです。
本体の厚みが30mm程度しかないので、冷却も限界はありますが
この辺は低TDPの石に限るということでどうにか妥協しているのでしょう。

 この個体に載っているRYZEN PROシリーズは
ビジネス向けRYZENという位置づけですが、
コンシューマー向けのRYZENとの違いはメモリコントローラーによるデータ暗号化やTPM2.0への対応など、セキュリティ面の機能拡張がメインなので
実際のクロック等は通常のRYZENと変わりません。
ただし、RYZEN PROシリーズや低TDPモデルのRYZENは単体で売られていないので
ある意味貴重なモデルといっていいでしょう。

 なお、このCPUも倍率がアンロックされてますが
少なくともこのPCではオーバークロックはできません。
オーバークロックに使うツールであるRYZEN Masterも
インストールができないようになっています。企業用PCだからでしょうか。

2.追加・換装したもの

 こちらもほぼ最小構成で買ったため、後でSSDなどを交換・追加しました。

・メモリ
CrucialのDDR4-2666 SODIMMを8GB×2で。ひところより安くなりました。

・ストレージ
Samsung 860 EVO(1TB)と、手持ちのSamsung 970 EVO(250GB)を
追加しました。
どちらも昨今の値下がりにより恐ろしい価格になっていますが、
これくらいまで来るとヘタな安物ブランドは大変でしょうね。

用途は970 EVOがシステム用、860 EVOがデータ用です。

3.使用感

・騒音
 冷却機構が小型なのでファンを回さないと冷却できないわけですが、
通常の使用範囲(Web閲覧・Office程度)なら、標準でも十分静かで
少なくともファンが常時全開でうるせえ~ってことはないです。

・発熱
 こちらも心配なところですが、通常の範囲なら問題ないレベルです。
とはいえ、室温が10℃台の寒い部屋ですらアイドル時は40℃を超えているので
夏場が不安ですが、空調を入れるなりして対処することになりそうです。
長時間駆動のサーバー用途や、高負荷時間が長い用途には向かないでしょう。

 ただし発熱の厳しいNVMe SSDを入れると、熱を逃がすのが難しい構造であることと
熱が2.5インチストレージにまで影響してくるため、
2.5インチストレージのみの構成で走らせたほうがいいかもしれないですね。

・消費電力
 ワットチェッカーで見る限りでは、先述の構成で
起動時最大40W、アイドル時は10W~、CPU高負荷時で36Wという感じでした。
まだGPUフルロード時の消費電力は測ってませんが、そういう使い方をするには
向かなさそうなマシンなので今後やるかは微妙です。

・性能
 通常使用のキビキビ感はIntelマシンと大差ありません。
この辺はSSDさえ入ってればほとんど変わらないですね。

 ざっくりした性能の指標ですが、CPUのベンチマークを
CPU-Zでやったところでは手持ちのThinkPad T480(i3-8350U)と
ほとんど同じ、Core i7-7700K比で約70%という感じでした。
クロックとTDPを考えるとこんなもんでしょうか。

4.まとめ

 現状あまり時間をとっていじってないため、軽すぎる使用感になってしまいました。
しかしこのようにRyzenが入りつつ、容量は少ないながらも
NVMe SSDを搭載しメモリも8GB、OSまで入って5万円半ばで買えるのですから
自作するのもバカらしいコストパフォーマンスといえるでしょうか。

 用途ですが、やはり小型なのを生かしてセカンドマシン、
動画に強いRadeonを生かしてリビング設置、
そして1.3kg程度で薄い本体なのを最大限利用してモバイルデスクトップ
(今度やります)などでしょうか。
筐体の小ささによる冷却能力のハンデを考えると(繰り返しになりますが)
サーバー用途や一部のゲーム用マシンにはおすすめできませんね。